こんばんは!

WhyWhyカウンセラーのふぁーこです!

きょうは「空白の女性の話」をしたいとおもいます。

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その女性は東京のごくごく一般的な家庭に生まれました。

一人っ子で、両親からも可愛がられて育ったほうだと思っています。

そして大学を出て就職し、一人暮らしを得て結婚し、

周りから見れば一見なにも問題を抱えてなさそうで、温和なふつうの女性に見られます。

彼女自身も、特段なにか大きく人生を揺り動かされるような事件はなかったとおもっています。

でも彼女は自分がなにかおかしいと気づき始めていました。



彼女のお母さんは主婦でした。

結婚してから東京の郊外に住んだこともあり、

お母さんは友達を呼んだり近所の方と交流を持つことに慣れずにいました。

そんな中彼女のお父さんは単身赴任で家を空けることが多くなりました。

お母さんは慣れるよう努力したものの、社交的な性格でないので郊外での生活にだんだんストレスが溜まっていくようでした。

彼女はそんなお母さんを小さいころから近くで見ていました。

お母さんはどんどんお父さんへの愚痴を彼女の前で言うようになりました。

彼女はお父さんも好きだけど、目の前のお母さんを元気にさせたくて一生懸命話を聞きました。

お母さんは最初のころは彼女が話を聞いていればあまり強くお父さんのことを悪く言わなかったものの、

そのうちどんどんエスカレートして、普段口癖のようにお父さんを悪く言うようになりました。

でもお父さんが帰ってくるとお父さんが彼女を甘やかしてくれました。

彼女はお父さんも大好きでした。

お父さんは自分があまり家に帰ってこれないことを残念がって、罪悪感を感じていました。

その分帰ってきたときは彼女をいろいろなところに連れて行ってくれたり、おもちゃを買ってくれたりしたのでした。

彼女のお母さんは、そういうお母さんを顧みないお父さんの態度にもイライラしているようでした。

そして、お母さんは余裕がなかったりイライラすると口を利かなくなる時があり、

ある時彼女がお母さんにお父さんと出かけた話を一生懸命話しはじめると

お母さんが

「うるさい!しずかにして!」

と怒りました。

彼女はそのときのお母さんの顔が忘れられません。

とても怒っている顔なのに、どこかものすごく悲しそうだったからです。

そして彼女は、

「お母さんをこんな顔にさせてしまった」

という気持ちになりました。

お母さんもお父さんのことも大好きなのに、2人とも幸せそうじゃない。

そして2人とも「私のため」にいろいろやってくれているのに怒ったような悲しそうな顔になる。

「私はどうすればいいんだろう?」

知らず知らず彼女の心の奥底に重い鉛が落ちていきました。



子供のころの彼女は自分の意思をなんでも言える、明るくて元気な女の子でした。

たくさんお母さんにもお父さんにも甘えていました。

でもお母さんがイライラしたり、お父さんがあまり帰ってこないことに慣れた頃には、

無意識に自分の意思を消すようになっていました。

無意識に消しているので、彼女自身は自分の意思を出しているし、伝えているつもりでした。

それでなにも問題を感じたこともありませんでした。

友達もそれなりにできて、学校生活もそれなりに過ごせて、社会に出てからも何事もないように思えまたからです。


20歳のころ、彼女に年上の彼氏ができたことがありました。

とても紳士でやさしい彼氏でしたが、彼女は「付き合うってこんなものか」とおもいました。

なにか熱にかけるような、付き合っているのにどこか冷めているような感覚でした。

もともと恋愛に積極的ではなかったので、付き合うきっかけも男性主導がほとんどでした。

1年半ほど付き合ったあとで、彼氏とは自然消滅のようになりました。

そのあとも彼氏はできるものの、結婚まではいかないような付き合いばかりでした。



30歳になって彼女はいよいよ結婚を意識するようになりました。

そんなとき、職場で外見も内面もすごくストライクな男性に出会いました。

男性はとても優秀な人で、そして彼女のことを気にかけてくれるので、彼女は期待をしました。

この人なら、私を理解してくれるのではないか。

この人なら、私を大切にしてくれるのではないか。

この人になら、自分をさらけ出せるのではないか。

そして彼からアプローチを受けてお付き合いするようになりました。

とてもうれしくて、初めて男性を愛するということがわかったような感覚でした。



1年のお付き合いの末、いよいよ彼女は彼と結婚することになりました。

とてもしあわせで、なにもかもが順風満帆でした。

彼と一緒に住んでいっしょに過ごす時間や出かけたりたくさん思い出をつくることが、

これほど楽しいことだとは思っていませんでした。

これがずっと続けばいいな、と思っていました。

このしあわせ以上のしあわせはない。

そう思いました。



彼女も35歳になり、もともと子供がほしかった彼女は彼との子供を望んでいました。

結婚当初は彼と性交渉がありましたが、

なぜか1年ほどすると性交渉がなくなっていきました。

彼が浮気をしているようには思えないけど、

だんだん彼女はそんな彼を疑い始めました。

この人ならと思って任せたのに。

この人ならと思って一緒になったのに。

この人ならわかってくれると思っていたのに。

彼女は疑心暗鬼になり、束縛するようになりました。

そしてそんな彼女の束縛や監視に応えようとしていた彼もだんだん耐え切れなくなり、

性交渉だけでなく家での会話がなくなっていきました。



彼女は早くなんとかしなければという焦りもあり、不安もあり、自己嫌悪もあり、

ぐちゃぐちゃな感情でどうしようもなくなって初めてカウンセリングを受けにきました。

彼女は「自分が一番聞きたい言葉」が言えないことに、苦しんでいました。

まるで空気を吸って吐くように言葉は出てくるのに、

彼女が一番ほしくて聞きたい言葉を彼女は言うことができないことに気がついたのです。

お母さんがお父さんの愚痴を言っていたときも、

お父さんが申し訳なさそうに単身赴任に行くときも、

友達といるときも、

初めて彼氏ができたときも、

今の彼と結婚してからも、

ずっと「  」という空白を持っていました。

彼女は「  」この空白にそれとない言葉を入れて生きてきたのです。

そこには”ただの言葉”が埋まり、そして出ていくの繰り返しでした。

「  」この空白を手放すことが、どうしてもできませんでした。



彼女が本当に聞きたかったのは、

「私は必要?」

という存在価値でした。

お母さんにとって、私は必要?

お父さんにとって、私は必要?

友達にとって、私は必要?

元カレにとって、私は必要?

そして今の夫にとって、私は必要?

ずっと、その言葉を心に沈めて、そして見ないように出さないように

「  」空白を代用してきたのです。



彼女はカウンセラーに話しながら自分の心がまるで空虚だったことに気がつきました。

「どうして求めてくれないの」

「どうして私だけ見てくれないの」

「どうして私の話を聞いてくれないの」

「どうして・・・」

彼女は必要とされていないとずっと感じていました。

そしてカウンセラーから、

「あなたの空白は必要だったんだよ。見せてくれてありがとう」

と言われて急に涙が流れ出しました。

彼女の「  」は最後の砦でした。

これがなければ必要とされないと思い、小さいころに作った空白でした。



いよいよ自分の存在を認めざるを得なくなった彼女は、

「夫にここで手紙を書いてください。そして自分の素直な気持ち、謝りたいこと、感謝してること、伝えたいことをすべて書いてみてください」

と言われ、カウンセラーの前で泣きながら夫に手紙を書きました。

「私を必要としてほしい」という気持ち、

「私だけを見てほしい」という気持ち、

「私を愛してほしい」という溜めてきたたくさんの気持ちをずっと言葉にできなかったこと、

その言葉の代わりに夫にも「好きです」という言葉を投げかけられずに束縛してしまったこと、

子供がほしいと言いながら一番ほしかったのは私を必要としてくれる存在だったこと、

性交渉がなくなったことを夫のせいばかりにしてしまったこと、

そんな私の束縛に応えようとしてくれたこと、

いつも仕事をがんばっているところ、

体調を気遣ってくれたところ、

記念日を覚えていてくれたところ、

落ち込んでいるとき心配してくれたところ、

めんどくさがりながらも頼み事をやってくれたところ、

くだらないことで笑ってくれたところ、

そして私を選んでくれたところ、

私と結婚してくれたこと、

私と出会ってくれたこと、

生まれてきてくれたこと、

すべて言葉で書いたときには、彼女の心はかなり熱いものが渦巻いていました。

まるで流れる涙が文字に変わるような感覚でした。

カウンセラーからそれを夫に渡しておいしい料理を食べるように言われた彼女は

目に光を宿してうなずいて帰って行ったのでした。



その夜、彼女は久々にたくさん手料理をつくって夫の帰りを待ちました。

束縛していた日々が嘘のように、彼の帰りをドキドキしながら待ちました。

彼は帰ってきたのが遅く、疲れているようだったので言い出しづらくなりましたが、

彼女は勇気を出して「手料理をつくったから一緒に食べない?」と誘いました。

彼はそっけなく「いらない」と言いましたが、

彼女もめげずに「じゃあこれよかったら読んで」と手紙を渡しました。

彼はめんどくさそうに手紙を受けとり、部屋に入っていきました。



彼女が「ダメだった・・・」と落ち込みながら作った料理を冷蔵庫にしまい、

シャワーを浴びて布団に入ると、

彼がまだ起きていて彼女のほうを向きました。

もう寝ていると思っていた彼女はビックリして目をさまよわせていると、

彼が怒ったようにほっぺをつねってきました。

そのまましばらく2人とも黙って、

ようやく彼女が「ごめんね」と言うと、

彼はなにも言わずにそっと抱きしめてくれました。

彼女はまたなぜか涙が止まらなくなって彼の腕の中で泣き続けましたが、

彼はずっと抱きしめてくれていました。

そのあたたかさと柔らかさと安心感はまるでお母さんのお腹の中にいるような、

彼女の存在をまるごと必要としてくれるように感じたのでした。



彼女が自分の存在を必要だと認めてから、不思議なことに夫を束縛する気持ちが一切なくなりました。

そして今までとは逆に夫との性交渉が復活しました。

それはまるで今までの前戯や挿入とは異なる、涙が出るくらい感動的な繋がりでした。

自分とつながり、自分が必要であることを認めたことで、

彼に初めて「  」空白でない自分を差し出すことができたのです。

そして彼女がどの自分も「大切」と思えるようになったとき、

もっと大切な存在がお腹に宿りました。

まるで、「私にはあなたたちが必要です」と赤ちゃんが選んでやってきてくれたようでした。

彼女はやっと「  」空白を飛び出して、赤ちゃんを迎えに行くことができたのでした。




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それではきょうも、冷蔵庫の扉がクイズ開閉式で正解できたようないい夢をみましょう~!